進路指導部から

2022年6月の記事一覧

面白すぎる研究会

 日本史家の磯田道史先生は、各メディアで大活躍されていますが、読売新聞にも定期的に文章を寄せられています。先日「面白すぎる共同研究会」という記事が掲載されていました。テーマは「口と鼻―人体と外界の接合域の日本文化史」とし、各分野の研究者を集め、文系理系を問わない研究をしようしています。医療人類学、環境史学、菓子史、感染症史そして薫香料分析や薬理研究に強い関心を持つ小説家が集って日本文化史を解明しようというのです。

 岸田内閣は「教育未来創造会議」を設置し、日本の教育の将来について提言をしようと議論を進めていますが、5月の会議録を見ると「文理横断教育の推進」ということが強調されています。これからの時代に対応する人材は、文系・理系という分野を超えた発想を備えていなくてはならない、と。

 皆さんは教育課程の便宜上、文系・理系を分けて科目を選択していますが、大学受験に向けて受験科目を絞って勉強しようという態度では、新しい時代を担う勉強はできません。5教科まんべんなく学ぶ力強い意欲をもって、勉強を充実させてください。

部活を引退したら

 6月を迎え、そろそろ3年生が引退をする部も出始めました。部活をやりきった人は、ここで気持ちを切り替えて本格的な受験勉強を始めることができます。これまで部活に向けてきた時間を勉強時間に変え、部活を通じて培った気力をもってあたれば、今後ずいぶんたくさんの勉強ができそうです。

 ところが、部活を引退したものの、なかなか受験生に気持ちを切り替えることができないケースがあります。夕方明るいうちに帰宅してもすぐに机に向かうことができなかったり、何から手をつければよいかわからないまま、毎日を過ごしてしまうことがありがちです。

 そういう場合は、放課後に学校の自習室に残って勉強をしてはどうでしょうか。後輩が部活動をやっている時間に、自習室で勉強をすれば、間違いなく部活に向けていた時間を受験勉強に向けることができるはずです。また、これから自分が取り組む勉強の見通しを立てて計画的に進めることも大事です。1学期末までを計画に従って勉強を進め、「計画力」を身につけて夏休みを迎えることができれば成功です。

勉強計画の立て方

 2年生の生徒と面談をしていて、勉強が計画的にできているかどうか聞くと、「計画は立てるが、うまくいったことがない。」という答えが返ってきます。どうしたらうまく進められるのでしょうか。

 計画を立てるコツは欲張らないことです。最低、これだけはやろうというものを計画に盛り込めばよいのです。これっぽちでいいのかな、と思う勉強量でも、こつこつ毎日積み上げると意外にたくさんの勉強ができるものです。

 例えば、数学の練習問題であれば1日3問だけ、とします。これを6日間進めて、7日目は空白にします。計画どおり進まなかった場合は7日目に帳尻を合わせ、1週間の計画は着実に完結します。これでも4週間積み上げると72問解くことになります。

 少しずつでも毎日進めること。こうすれば勉強ゼロの日はなくなるはずです。計画が軽かったら、プラスアルファを足していけばよいのです。今から期末考査まで、少しずつ積み上げる経験をしてください。こうして「計画力」を身につけて夏休みを迎えることができれば、しっかり計画的な勉強ができるようになるはずです。そして修学旅行から帰ってきたら、3年生ゼロ学期。徐々にボリュームアップしていきましょう。