進路指導部から

進路指導部からのメッセージ

文理融合について

 人文・社会科学中心だった大学でも、理系との融合教育が進められています。データ分析やプログラミングがあらゆる学問分野で必要とされているからです。

 このため、主専攻は文学や歴史などの人文科学であっても、副専攻としてデータサイエンスを設けることが一般的になっています。こうした講座では微分積分など数学の理解も必要になります。もっとも、身近な事例からデータを分析していくことから、高校で数学を学んだ意義について大学にきてはじめて気が付いた、という声もあがるそうです。

 経団連が2021年に実施した企業調査によると、大卒者に期待する知識として、「理系・文系の枠を超えた知識・教養」が85%と最も多かったという報道もあります。

 本校では文理にわたってまんべんなく学ぶ教育課程を編成しています。なかには苦手科目に苦しむ場合もありますが、時代の要請にこたえるためにとても重要なことなのです。あきらめずに頑張って学んでいきましょう。

 

夏休みの勉強について

 夏休みも3週間近く、およそ半分がすぎました。校内には進学講習を受講する生徒、自習室で黙々と机に向かう生徒、そしてグラウンドでも体育館でも生徒の声が響き、ラーニングストリートには文化祭にむけて準備を進める生徒たち、と活気にあふれています。

 生徒の皆さん、夏休みの勉強の計画は進められているでしょうか。高校生は勉学に部活動に行事に忙しい毎日を過ごしますが、1年の365日のうち平常授業が行われるのはその半分程度です。残りの半分を意識して計画的に取り組むことが勉学と部活動の両立には不可欠です。特にこの夏休み、いかに勉強を計画的に進めるかが高校生活を充実させるうえで重要です。

 猛暑が続きますが、朝、比較的涼しいうちに登校し、講習、自習、部活動に取り組むことが毎日を計画的に過ごすことを可能にします。何よりも、志を同じくする仲間と一緒に過ごすことが皆さんをポジティブにするはずです。

 夏休みの後半も、みんなで一緒に頑張りましょう。

勉強計画の立て方

 生徒の皆さんは、夏休みを前に勉強の計画を立てようとしているところです。でも、計画を立ててもうまくいったためしがないという声をよく聞きます。計画を欲張りすぎて、始めたばかりのところで挫折してしまうことは、よくあることです。

 そこで、計画を2階建てで考えることをお勧めします。1階部分は「絶対やる計画」、2階部分は「出来たらやる計画」として、1階部分を着実に進める方法です。その際、1週間のうち6日間で勉強を進める計画にして、7日目はやり残したことや「出来たらやる計画」を進める日にすれば、達成感を味わいながら着実に勉強を積み重ねることができます。

 それぞれが工夫をして「絶対やる計画」を絞り込んで、こつこつ進める勉強計画を立案してみてください。

部活動引退後の受験勉強

 3年生の皆さんのなかには、そろそろ部活動を引退する人が増えてきました。さあ、いよいよ受験勉強に本腰をいれられるようになりましたね。

 ところが、せっかく自由にできる時間が増えたのに受験勉強に手がつかないという人はいませんか?夕方早い時間に帰宅しても、結局夕食後でないと勉強を始められず、なんとなしに時間を過ごしてしまうのではありませんか?実は、これは誰にもありがちなことなのです。部活動を引退しても、生活のリズムを急に変えることはできないものだからです。

 それならば夕方、学校に残って勉強をする習慣にしてみてはどうでしょうか。これまで部活動をしていた時間をそのまま勉強に充てればいいのです。そして、朝も早く登校して勉強をすれば、仲間がそれぞれに頑張る姿に刺激を受けて、受験勉強をすることができます。本校では、自習スペースを校内のあちこちに設けてあります。自分の居心地のいい自習スペースをみつけて、計画的に受験勉強を進めましょう。

 

入試方式の難易度について

 各私立大学は、様々な入試方式を用意しています。全学部統一入試、個別学部入試、共通テスト利用入試、受験科目数が異なる入試と、様々な入試方式を実施して、多様な学生を入学させようとします。

 生徒から「どの入試方式が合格しやすいのですか?」と聞かれることがしばしばあります。よく共通テスト利用入試が難しいという人もいますが、そうともいえないケースも多々あります。合格者の状況は、前年の倍率がどうだったか、同日にどこの大学が入試を実施しているか、学部学科のめざすものがどのように理解されているか、国公立大学との併願動向がどうなったかなど、様々な要因に左右されます。いずれにしても、生徒の合否の結果を毎年見ていると、入試方式に関わらず合格するべき人が合格しているというのが私たちの印象です。

 受験生は、入試方式に左右されるのではなく、志望校にむかってこつこつと積み重ねることに専念するべきです。そもそも私立大学の受験スケジュールは、併願校との兼ね合いでおのずと決まってしまうものです。どちらの方式が有利なのかを考える余地などありません。志望校を見据えて、受験勉強をポジティブに楽しむことが大事です。