進路指導部から

進路指導部からのメッセージ

埼玉県立大学の入試

 毎年、県立大にもたくさんの生徒がチャレンジしています。

 県立大は看護、理学療法、作業療法、検査技術、口腔保健など医療系の学科・専攻のほか、社会福祉子ども学科では社会福祉学や福祉子ども学の専攻があります。ここでは、社会福祉士、精神保健福祉士、保育士、幼稚園教諭などを目指す人が学んでいます。

 県立大の場合、11月に本県の高校生を対象とした特別選抜、学校推薦型試験があります。この試験では例年、英語の課題文を読んで書く小論文が課せられています。県立大を目指す人は、まずはこの推薦入試を受験することを検討します。医療系の学科のほか、福祉分野や幼児教育分野を志す人は考えてみてください。

 詳細は進路指導室に相談に来てください。夏休みに対策をたてられるよう、1学期のうちに相談にくることをお勧めします。

日本の若者の向学心について

 文部科学省の所管する科学技術振興機構は、優秀な博士課程の学生に生活費や研究費を支給しています。この制度について昨年度の実施状況を調べたところ、受給者の約3割がアジア諸国の留学生だったことが、参議院の外交防衛委員会で明らかにされたそうです。

 日本の教育機関でアジア諸国の若者が学ぶのを支援すること自体は、日本の国際貢献の観点から素晴らしいことです。しかし、この制度は日本の若者が博士課程で学ぶチャンスを広げることを本来の目的としています。アジア諸国への貢献についてはほかにもいろいろな制度があるはずです。

 日本の若者の向学心が、アジア諸国の若者に後れを取っているのではないかということが懸念されるニュースです。

 人口100万人当たりの学位取得者数を見ると、ドイツが315人、イギリスが313人、日本は120人です。韓国においても270人前後であることからも日本の水準がいかに低いかわかります。

 博士号取得者の就職環境など、様々な課題はありますが、日本の若者が「もっと学びたい」というモチベーションを高めてくことが重要だといえます。皆さんはどうお考えでしょうか。

3年次生保護者会でお話をしました

 4月26日(土)に、進路をテーマとした3年次生保護者会を開催したところ、8割近い保護者様が出席くださいました。

 地元予備校から大学受験の動向について説明があり、本校進路指導主事から今春の卒業生の進路実績と、課題や反省点を説明しました。その後、政策アドバイザーより保護者の皆さんの心構えをお話ししました。

 この少子化の時代は、実は大学にとって厳しい時代なのです。というのは、多くの大学が募集定員を充足することができない事態となっており、保護者会の前日にも京都の伝統ある大学が募集停止を決定したという衝撃的なニュースがあったばかりでした。

 受験生にとって「売り手市場」なのですから、あわてないで、志望を下げず、3月の最後まで粘り強く受験勉強を続ければきっと良い結果が得られます。受験生の保護者にとってもつらいかもしれませんが、3月までご子息、ご息女を見守ってあげてください、ということをお伝えしました。

 生徒たちは意欲をもって高い志を掲げています。保護者の皆さまも我々と一緒に最後まで受験生を応援してくださいますよう、お願いいたします。

 

志望校と併願校

 先日、生徒から「私の第一志望校は国立〇〇大学の〇〇学部ですが、私大の併願校はどのように考えたらいいのですか。」という質問を受けました。

 国公立大学を第一志望にあげるのであれば、まずは国公立大学の第ニ志望を考えましょう。せっかく国公立をめざして6教科受験勉強をするのであれば、前期・後期の両方に出願しなければもったいないですよね。第一志望校の前期試験と、第ニ志望の後期試験という組み合わせを考えるべきです。その際、地方の国公立大学を考慮に加えると選択肢がぐんと増えます。

 そして、私大を考える際には「タテ型」受験をすべきです。難易度の高い憧れの大学ばかり受験しても、うまくはいかないことが多いでしょう。「挑戦校」「相応校」「堅実校」とタテに検討することが重要です。浪人を辞さないのであれば「挑戦校」ばかりを受験することはあり得ますが、あまり勧められません。

文系と理系

 新入生はさっそく次年度の選択科目を考えなくてはなりません。学校は、7月には次年度に必要となる教科書の数を報告しなくてはならないからです。このため、6月の三者面談で次年度の選択科目を保護者を交えて確認し、その後微調整を進めることになります。

 入学して間もないのにこうしたことを決断しなくてはならないのは大変ですが、卒業後の進路を早くから考えることは重要です。その際に自分が理系なのか文系なのかを考えることがとっかかりになります。実は、理系と文系にわけることは学問分野の在り方として正しいこととは言えないのですが、便宜上これを手掛かりに考え始めざるを得ません。

 その際、消去法で選ぶことは禁物です。この教科が苦手だからこっち、という判断ではなく、この教科をもっと学びたいからこっち、という選び方をしてください。ここで消極的選択をしてしまうと、皆さんの未来はしぼんでしまいます。もし、迷ったら、いつでも進路指導室に相談に来てください。