進路指導部からのメッセージ
少子化時代の大学入試
18歳人口は、1992年の205万人をピークとして、現在は109万人、2030年には100万人を割り込み、2050年には60万人にまで減少すると推計されています。各大学は、今後の学生の確保に、これまでに見られなかった対応をし始めています。
都心のある伝統校が他大学の付属高校を新たに系列校に加えることとなったという報道がありました。将来の入学者を確保するために、系列校を増やしておこうという方策です。これは複数の伝統校にみられる動向です。
私たち公立高校は、私立大学の系列に加えられることは考えられません。それでは公立高校の卒業生は大学進学について不利な立場におかれてしまうのでしょうか。私たちはそうとは考えていません。大学側はこのようにして学生の確保に奔走する一方、きちんと受験勉強をして基礎学力を身につけて入学をしてくる、一般入試による入学生を待望していることは間違いないのです。これほどまでの売り手市場にいる生徒たちですから、チャレンジしない手はないのです。はっきりとした第一志望校に推薦入試でチャレンジすることは大変重要です。しかし、安易に、安きに流れて推薦入学を志向することは、この売り手市場に在って、もったいないことと思います。
これからも私たちは、各教科をまんべんなく勉強して、高い目標を掲げて一般入試にもチャレンジする生徒の育成に努めていきます。
読書のすすめ
年末に、文字活字文化振興法公布20周年記念対談に関する新聞記事を読みました。
東北大学の川島隆太教授は、文章を読んで理解するという観点からはデジタルは無力である、と指摘しています。スマホを過剰に使って育った子どもは、情動を制御する力が落ち、自己中心的な行動をとるともおっしゃっています。
授業を担当していても、デジタル時代が到来する以前の生徒たちが子どものときに読んでいた本を、今の生徒は読んでいないことに驚かされることが多く、そのために授業に対する理解が表層的になってしまうという危機感を抱いています。現実には大学受験が間近に迫っている生徒に対し、「大学に入学したらじっくり読書をしよう」と呼びかけるほかないのです。しかし、全国的なデジタル化の傾向のなか、生徒の達成度は相対的にしか測れずにいることに大きな不安を抱いています。
1年生、2年生は今すぐ読書を習慣づけてほしいと願っています。高校生の時に読んだ本が、将来の進路決定につながることはよくあります。また、中学生には読書の習慣を身につけて、高校に進学してきてほしいと切に願っています。
進む理系の拡充
経済産業省の推計では、理系人材が2040年に100万人以上不足するとされています。そこで文部科学省は、理系の教育を拡充すべく学部再編や文理融合型カリキュラムへの転換を大学に促そうとしています。具体的には、文系学部に代えて理系学部を新設したり、文系学部にプログラミングや統計学といった科目を設けるなど文理融合カリキュラムに転換させようとしているのです。高市政権も日本の成長戦略のひとつに「未来成長分野に挑戦する人材育成」を掲げ、この理系拡充支援を施策の柱と位置付けています。
理系人材が不足している背景には、高校時代に理系を選択する生徒が少ないことが指摘されています。普通科高校の理系志望者の割合は2024年には27%にとどまっており、40年までに39%に引き上げるという目標も掲げられています。
時代の変化は、数学の勉強をおろそかにさせないものになっています。一方で、だからこそ社会科学、人文科学分野も意欲的な人材が担わなくてはなりません。世の中のニーズに応えるべく、意欲をもって勉学に励みましょう。
3年生ゼロ学期
2年生も秋になると、そろそろ大学受験勉強に本格的に取りかかるようになります。今は2学期末考査までの3週間を計画的に勉強している時期ですが、期末考査が終了すると授業に沿った勉強とともに受験勉強に重心が移ってきます。このため、2学期末から学年末までを「3年生ゼロ学期」といいます。
進路指導室には赤本を借りに来る2年生生徒が増え始めています。3年生が各大学の赤本を借りていくのに対し、2年生の多くは共通テストの赤本を借りていきます。数ⅠA、数ⅡBCは2年生で学習を終えています。化学基礎、生物基礎、歴史総合も同様ですので、この時期にすませておけば先々の勉強にゆとりができます。
部活動も益々忙しくなる2年生ですが、常にその先を見据えて、計画的に勉強を進めましょう。
大学入試にいよいよ出陣
2学期中間考査を終え、3年次生はいよいよ大学入試に向けて出陣します。先週は年次集会をもち、これからの取組について話をしました。
模擬試験は11月まで、一部は12月までで終了し、その後の学力の伸びをはかることはできません。合格判定がEであっても、あきらめずに2月下旬まで取り組めばいくらでも逆転のチャンスがあります。また国公立大に出願するのであれば、後期日程にも出願しなくてはもったいないです。後期の出願者倍率はとても高くなりますが、実受験者の倍率は大きく低下します。最後まであきらめなかった人が、笑顔を勝ち取ります。
共通テストまで3か月。これは夏休みふたつ分です。さらに国立大学前期日程まで、夏休みひとつ分の日数が残されているのです。みんなで励まし合って、最後まで頑張り抜きましょう。