進路指導部から

進路指導部からのメッセージ

読書のすすめ

 年末に、文字活字文化振興法公布20周年記念対談に関する新聞記事を読みました。

 東北大学の川島隆太教授は、文章を読んで理解するという観点からはデジタルは無力である、と指摘しています。スマホを過剰に使って育った子どもは、情動を制御する力が落ち、自己中心的な行動をとるともおっしゃっています。

 授業を担当していても、デジタル時代が到来する以前の生徒たちが子どものときに読んでいた本を、今の生徒は読んでいないことに驚かされることが多く、そのために授業に対する理解が表層的になってしまうという危機感を抱いています。現実には大学受験が間近に迫っている生徒に対し、「大学に入学したらじっくり読書をしよう」と呼びかけるほかないのです。しかし、全国的なデジタル化の傾向のなか、生徒の達成度は相対的にしか測れずにいることに大きな不安を抱いています。

 1年生、2年生は今すぐ読書を習慣づけてほしいと願っています。高校生の時に読んだ本が、将来の進路決定につながることはよくあります。また、中学生には読書の習慣を身につけて、高校に進学してきてほしいと切に願っています。

進む理系の拡充

 経済産業省の推計では、理系人材が2040年に100万人以上不足するとされています。そこで文部科学省は、理系の教育を拡充すべく学部再編や文理融合型カリキュラムへの転換を大学に促そうとしています。具体的には、文系学部に代えて理系学部を新設したり、文系学部にプログラミングや統計学といった科目を設けるなど文理融合カリキュラムに転換させようとしているのです。高市政権も日本の成長戦略のひとつに「未来成長分野に挑戦する人材育成」を掲げ、この理系拡充支援を施策の柱と位置付けています。

 理系人材が不足している背景には、高校時代に理系を選択する生徒が少ないことが指摘されています。普通科高校の理系志望者の割合は2024年には27%にとどまっており、40年までに39%に引き上げるという目標も掲げられています。

 時代の変化は、数学の勉強をおろそかにさせないものになっています。一方で、だからこそ社会科学、人文科学分野も意欲的な人材が担わなくてはなりません。世の中のニーズに応えるべく、意欲をもって勉学に励みましょう。

 

 

3年生ゼロ学期

 2年生も秋になると、そろそろ大学受験勉強に本格的に取りかかるようになります。今は2学期末考査までの3週間を計画的に勉強している時期ですが、期末考査が終了すると授業に沿った勉強とともに受験勉強に重心が移ってきます。このため、2学期末から学年末までを「3年生ゼロ学期」といいます。

 進路指導室には赤本を借りに来る2年生生徒が増え始めています。3年生が各大学の赤本を借りていくのに対し、2年生の多くは共通テストの赤本を借りていきます。数ⅠA、数ⅡBCは2年生で学習を終えています。化学基礎、生物基礎、歴史総合も同様ですので、この時期にすませておけば先々の勉強にゆとりができます。

 部活動も益々忙しくなる2年生ですが、常にその先を見据えて、計画的に勉強を進めましょう。

大学入試にいよいよ出陣

 2学期中間考査を終え、3年次生はいよいよ大学入試に向けて出陣します。先週は年次集会をもち、これからの取組について話をしました。

 模擬試験は11月まで、一部は12月までで終了し、その後の学力の伸びをはかることはできません。合格判定がEであっても、あきらめずに2月下旬まで取り組めばいくらでも逆転のチャンスがあります。また国公立大に出願するのであれば、後期日程にも出願しなくてはもったいないです。後期の出願者倍率はとても高くなりますが、実受験者の倍率は大きく低下します。最後まであきらめなかった人が、笑顔を勝ち取ります。

 共通テストまで3か月。これは夏休みふたつ分です。さらに国立大学前期日程まで、夏休みひとつ分の日数が残されているのです。みんなで励まし合って、最後まで頑張り抜きましょう。

国立大学の学科再編

 昨日、北関東のある国立大学の先生が来校され、新しい学部・学科の再編について大学の動向を説明していってくださいました。これからの学生に求められる資質は、「持続可能な食糧生産に関わる閉塞感を破る人材」「データの読み取り、思考、判断」「文系・理系の基礎的な知識」といったものであるとのことです。

 また、大学4年生のゼミは、先生1人が学生3人を指導するという恵まれた学習環境であるというお話も伺いました。文部科学白書の統計をみると、国公立大の教員一人当たりの学生数は10名程度、私大は20名程度ですが、これを大学4年生に当てはめれば、国立大のゼミの人数は2~3名ということになりますので、まさに統計どおりの学習環境ということになります。

 生徒の皆さんのようすをみると、地元埼玉大学を第1志望としながら、第2志望は都内の私大を挙げることが多いように思います。しかし、国公立大学は学習環境が格段に恵まれています。地方でひとり暮らしをすることも視野に、広く世界を見て、のびのびと夢を広げていきましょう。

文理融合について

 人文・社会科学中心だった大学でも、理系との融合教育が進められています。データ分析やプログラミングがあらゆる学問分野で必要とされているからです。

 このため、主専攻は文学や歴史などの人文科学であっても、副専攻としてデータサイエンスを設けることが一般的になっています。こうした講座では微分積分など数学の理解も必要になります。もっとも、身近な事例からデータを分析していくことから、高校で数学を学んだ意義について大学にきてはじめて気が付いた、という声もあがるそうです。

 経団連が2021年に実施した企業調査によると、大卒者に期待する知識として、「理系・文系の枠を超えた知識・教養」が85%と最も多かったという報道もあります。

 本校では文理にわたってまんべんなく学ぶ教育課程を編成しています。なかには苦手科目に苦しむ場合もありますが、時代の要請にこたえるためにとても重要なことなのです。あきらめずに頑張って学んでいきましょう。

 

夏休みの勉強について

 夏休みも3週間近く、およそ半分がすぎました。校内には進学講習を受講する生徒、自習室で黙々と机に向かう生徒、そしてグラウンドでも体育館でも生徒の声が響き、ラーニングストリートには文化祭にむけて準備を進める生徒たち、と活気にあふれています。

 生徒の皆さん、夏休みの勉強の計画は進められているでしょうか。高校生は勉学に部活動に行事に忙しい毎日を過ごしますが、1年の365日のうち平常授業が行われるのはその半分程度です。残りの半分を意識して計画的に取り組むことが勉学と部活動の両立には不可欠です。特にこの夏休み、いかに勉強を計画的に進めるかが高校生活を充実させるうえで重要です。

 猛暑が続きますが、朝、比較的涼しいうちに登校し、講習、自習、部活動に取り組むことが毎日を計画的に過ごすことを可能にします。何よりも、志を同じくする仲間と一緒に過ごすことが皆さんをポジティブにするはずです。

 夏休みの後半も、みんなで一緒に頑張りましょう。

勉強計画の立て方

 生徒の皆さんは、夏休みを前に勉強の計画を立てようとしているところです。でも、計画を立ててもうまくいったためしがないという声をよく聞きます。計画を欲張りすぎて、始めたばかりのところで挫折してしまうことは、よくあることです。

 そこで、計画を2階建てで考えることをお勧めします。1階部分は「絶対やる計画」、2階部分は「出来たらやる計画」として、1階部分を着実に進める方法です。その際、1週間のうち6日間で勉強を進める計画にして、7日目はやり残したことや「出来たらやる計画」を進める日にすれば、達成感を味わいながら着実に勉強を積み重ねることができます。

 それぞれが工夫をして「絶対やる計画」を絞り込んで、こつこつ進める勉強計画を立案してみてください。

部活動引退後の受験勉強

 3年生の皆さんのなかには、そろそろ部活動を引退する人が増えてきました。さあ、いよいよ受験勉強に本腰をいれられるようになりましたね。

 ところが、せっかく自由にできる時間が増えたのに受験勉強に手がつかないという人はいませんか?夕方早い時間に帰宅しても、結局夕食後でないと勉強を始められず、なんとなしに時間を過ごしてしまうのではありませんか?実は、これは誰にもありがちなことなのです。部活動を引退しても、生活のリズムを急に変えることはできないものだからです。

 それならば夕方、学校に残って勉強をする習慣にしてみてはどうでしょうか。これまで部活動をしていた時間をそのまま勉強に充てればいいのです。そして、朝も早く登校して勉強をすれば、仲間がそれぞれに頑張る姿に刺激を受けて、受験勉強をすることができます。本校では、自習スペースを校内のあちこちに設けてあります。自分の居心地のいい自習スペースをみつけて、計画的に受験勉強を進めましょう。

 

入試方式の難易度について

 各私立大学は、様々な入試方式を用意しています。全学部統一入試、個別学部入試、共通テスト利用入試、受験科目数が異なる入試と、様々な入試方式を実施して、多様な学生を入学させようとします。

 生徒から「どの入試方式が合格しやすいのですか?」と聞かれることがしばしばあります。よく共通テスト利用入試が難しいという人もいますが、そうともいえないケースも多々あります。合格者の状況は、前年の倍率がどうだったか、同日にどこの大学が入試を実施しているか、学部学科のめざすものがどのように理解されているか、国公立大学との併願動向がどうなったかなど、様々な要因に左右されます。いずれにしても、生徒の合否の結果を毎年見ていると、入試方式に関わらず合格するべき人が合格しているというのが私たちの印象です。

 受験生は、入試方式に左右されるのではなく、志望校にむかってこつこつと積み重ねることに専念するべきです。そもそも私立大学の受験スケジュールは、併願校との兼ね合いでおのずと決まってしまうものです。どちらの方式が有利なのかを考える余地などありません。志望校を見据えて、受験勉強をポジティブに楽しむことが大事です。