川口市立高校のSSH
Society5.0に向けた⼈材育成で重視される STEAM教育を、教科間連携・校外連携を含む幅広い分野の総合的・探究的な学習に位置付けて促進するため、その総合的な取組となる「課題研究」を授業として実施するためのカリキュラムを開発します。開発した連携⼿法や指導法・教材などの成果を校内・校外に発信し、普及展開のための科学連携システムを構築します。まず、理数科での研究開発を先⾏実施し、そこで開発した⼿法をもとに普通科での研究開発を展開します。
対象は、理数科・普通科(スポーツ科学コース・中高一貫コース含む)すべての生徒です。
SSHの取り組み
令和6年度SSH湾岸生物探究講座
2月15日(土)、SSH湾岸生物探究講座を実施しました。
館山にあるお茶の水女子大学湾岸生物教育研究所より、清本正人先生のリモート講座として普通科生徒6名、附属中生2名が参加しウニの受精と発生、頭索動物ナメクジウオの観察と題して2時間半ほど講義・実習を行いました。
清本先生の指示のもと、ウニのオス・メスにカリウム溶液をかけて放精・放卵の様子を観察した後、既に受精された卵子を顕微鏡で観察し、発生について講義をして頂きました。
その後、なかなか見ることのできないナメクジウオについてどのようなものか清本先生に教わった後、実際にプレパラートにのせて観察しました。
最後に、1時間前に受精膜を観察した受精卵が細胞分裂する様子の確認をし、リモート講座を終えました。
授業で既に知識として学んだ発生の様子を、実際に自分の目で見て確認することで、驚きと感動を感じることができたようでした。清本先生、ありがとうございました。
令和6年度理数科課題研究発表会
2月7日(金)、本校大ホールにて令和6年度理数科課題研究発表会を実施しました。
理数科2年次生が1年間理数探究の授業をはじめ、放課後や休日を利用して進めてきた研究成果を発表する大一番でした。
運営指導委員の皆さんをはじめご来場いただいた先生方、理数科1年次生、附属中学校3年生、理数科保護者など多くの人の前で堂々と発表する様子は自分たちの集めたデータや重ねてきた考察への信頼が感じられました。生徒間での質疑応答も活発に行われ、附属中生からも立派な質問を受けることができました。
また、調査手法やデータの収集法について指導講評をいただきました。来年度のSS理数探究Ⅲをはじめ、これから先の課題研究・探究活動につながっていくことと思います。
R6探究活動生徒発表会
12月26日(木)、理数科2年次生と中高一貫生1年次生希望者が日本薬科大学にて行われた探究活動発表会に参加しました。
この発表会は、県内35校から集まった生徒による探究活動の成果発表会です。本校は理数科から口頭発表3チーム、ポスター発表6チームが参加し発表を行いました。(中高一貫生から口頭発表の予定だった生徒は体調不良のため欠席)
理数科・中高一貫生ともに、他校の様々なアイデアを基にした探究活動の成果を見聞きし、交流することで今後の探究活動へ大きな刺激を受けることができました。
また、口頭発表のチームは質疑応答にもよく答えることができており2月の最終発表に向けて大きな自信になった様子でした。
参加した皆さん一日お疲れさまでした!
理数科2年次理化学研究所訪問
12月16日(月)、理数科2年次生が和光市にある理化学研究所を訪問しました。
今回は、まず環境資源科学研究センターのケミカルバイオロジー・生合成チームリーダーである淡川孝義先生に「天然物と創薬」と題して講義を頂きました。人類が薬を作り出した歴史から始まり、天然物からどのようにして創薬を行うか、またこの10年での技術の進歩によってより効率的に行われるようになった構造の特定法など、いかにして薬を作っていくかという事の変遷を、化学や生物で習った事と関連付けながら紹介してくださいました。
その後、広報室の河野様より理化学研究所の概要について説明を頂き、本校SSH運営指導委員である櫻井博儀先生がセンター長を務める仁科加速器科学センターへ行き、サイクロペディアとサイクロトロンを見学しました。原子核物理の概要説明を受けた後、地下まで行って目の当たりにしたサイクロトロンの大きさに、どの生徒も驚きを隠せない様子でした。この埼玉に世界に類を見ない加速器があることに、改めて誇りを感じた1時間でした。
理化学研究所の皆様、ありがとうございました。
HPLC講習会
期末考査終了の12/10(水)、株式会社ユニフローズより本多様をお迎えして、今年度SSH予算で購入したHPLCの講習をして頂きました。
HPLCとはHigh Performance Liquid Chromatographyの略で、日本語では高速液体クロマトグラフと呼びます。定性・定量を行うための分析機器で、試料に含まれる複数の溶質成分を迅速かつ同時に分析することができます。
今日は理数科1・2年次生、中高一貫コース1年次生15名ほどが集まりました。HPCLの原理から始まり、どのように使っていくのか講義を受けた後、複数のお茶類(緑茶、ほうじ茶など)、ペットボトルコーヒー、栄養ドリンクに含まれるカフェイン・ビタミンCなどの解析を行いました。また使用する際には「共洗い」を徹底することなど、これまでの実験講座で習った事の再確認をする機会にもなりました。
レクチャー終了後、生徒は醸造学博士でもある本多様に今自分たちがしている研究でどのように使っていけばよいか、また今後の展望等について積極的に質問していました。
今後、川口市立高校の課題研究で大活躍してくれることでしょう。
株式会社ユニフローズ様、そして本多様、ありがとうございました。
・これがe-HPLC“ことり”です!