SSHの取り組み
令和6年度SSH物理・地学特別講座
2/22(土)午後、「虹の不思議~スペクトルでわかる宇宙~」と題して、本校坂江教諭(理科・物理)による普通科生徒向けSSH物理・地学特別講座を実施しました。
この講義の主題である天文学は物理と地学の両方にまたがるものである、という話から始まり、まず直視分光器でLED、蛍光灯、白熱電球、Naランプをみながら赤外線~可視光線~紫外線と続くスペクトルの基礎について学んだあと、太陽のスペクトルを観察し、フラウンホーファー線と呼ばれる吸収線が見られることを確認しました。
続いて、なぜ吸収線ができるのか理論的な説明を聞いた後、高分散分光器を用いて実験室内でナトリウムの炎色反応に白熱電球の光を当てて吸収線が出ることを観察しました。
その後、様々なプリズムと回折格子を用いて光の分光の様子を観察した後、屋上に行き、高分散分光器を用いて実際の太陽のスペクトルと吸収線を観測しました。可視光線における「混ざりけのない、波長で決まる純粋な色」に、どの生徒も感動した様子が見られました。
強い風が吹いている中でしたが、日が落ちそうになるぎりぎりの時間まで夢中になり「スペクトル」という自然が織りなす美を堪能しました。
令和6年度SSH湾岸生物探究講座
2月15日(土)、SSH湾岸生物探究講座を実施しました。
館山にあるお茶の水女子大学湾岸生物教育研究所より、清本正人先生のリモート講座として普通科生徒6名、附属中生2名が参加しウニの受精と発生、頭索動物ナメクジウオの観察と題して2時間半ほど講義・実習を行いました。
清本先生の指示のもと、ウニのオス・メスにカリウム溶液をかけて放精・放卵の様子を観察した後、既に受精された卵子を顕微鏡で観察し、発生について講義をして頂きました。
その後、なかなか見ることのできないナメクジウオについてどのようなものか清本先生に教わった後、実際にプレパラートにのせて観察しました。
最後に、1時間前に受精膜を観察した受精卵が細胞分裂する様子の確認をし、リモート講座を終えました。
授業で既に知識として学んだ発生の様子を、実際に自分の目で見て確認することで、驚きと感動を感じることができたようでした。清本先生、ありがとうございました。
令和6年度理数科課題研究発表会
2月7日(金)、本校大ホールにて令和6年度理数科課題研究発表会を実施しました。
理数科2年次生が1年間理数探究の授業をはじめ、放課後や休日を利用して進めてきた研究成果を発表する大一番でした。
運営指導委員の皆さんをはじめご来場いただいた先生方、理数科1年次生、附属中学校3年生、理数科保護者など多くの人の前で堂々と発表する様子は自分たちの集めたデータや重ねてきた考察への信頼が感じられました。生徒間での質疑応答も活発に行われ、附属中生からも立派な質問を受けることができました。
また、調査手法やデータの収集法について指導講評をいただきました。来年度のSS理数探究Ⅲをはじめ、これから先の課題研究・探究活動につながっていくことと思います。
R6探究活動生徒発表会
12月26日(木)、理数科2年次生と中高一貫生1年次生希望者が日本薬科大学にて行われた探究活動発表会に参加しました。
この発表会は、県内35校から集まった生徒による探究活動の成果発表会です。本校は理数科から口頭発表3チーム、ポスター発表6チームが参加し発表を行いました。(中高一貫生から口頭発表の予定だった生徒は体調不良のため欠席)
理数科・中高一貫生ともに、他校の様々なアイデアを基にした探究活動の成果を見聞きし、交流することで今後の探究活動へ大きな刺激を受けることができました。
また、口頭発表のチームは質疑応答にもよく答えることができており2月の最終発表に向けて大きな自信になった様子でした。
参加した皆さん一日お疲れさまでした!
理数科2年次理化学研究所訪問
12月16日(月)、理数科2年次生が和光市にある理化学研究所を訪問しました。
今回は、まず環境資源科学研究センターのケミカルバイオロジー・生合成チームリーダーである淡川孝義先生に「天然物と創薬」と題して講義を頂きました。人類が薬を作り出した歴史から始まり、天然物からどのようにして創薬を行うか、またこの10年での技術の進歩によってより効率的に行われるようになった構造の特定法など、いかにして薬を作っていくかという事の変遷を、化学や生物で習った事と関連付けながら紹介してくださいました。
その後、広報室の河野様より理化学研究所の概要について説明を頂き、本校SSH運営指導委員である櫻井博儀先生がセンター長を務める仁科加速器科学センターへ行き、サイクロペディアとサイクロトロンを見学しました。原子核物理の概要説明を受けた後、地下まで行って目の当たりにしたサイクロトロンの大きさに、どの生徒も驚きを隠せない様子でした。この埼玉に世界に類を見ない加速器があることに、改めて誇りを感じた1時間でした。
理化学研究所の皆様、ありがとうございました。
HPLC講習会
期末考査終了の12/10(水)、株式会社ユニフローズより本多様をお迎えして、今年度SSH予算で購入したHPLCの講習をして頂きました。
HPLCとはHigh Performance Liquid Chromatographyの略で、日本語では高速液体クロマトグラフと呼びます。定性・定量を行うための分析機器で、試料に含まれる複数の溶質成分を迅速かつ同時に分析することができます。
今日は理数科1・2年次生、中高一貫コース1年次生15名ほどが集まりました。HPCLの原理から始まり、どのように使っていくのか講義を受けた後、複数のお茶類(緑茶、ほうじ茶など)、ペットボトルコーヒー、栄養ドリンクに含まれるカフェイン・ビタミンCなどの解析を行いました。また使用する際には「共洗い」を徹底することなど、これまでの実験講座で習った事の再確認をする機会にもなりました。
レクチャー終了後、生徒は醸造学博士でもある本多様に今自分たちがしている研究でどのように使っていけばよいか、また今後の展望等について積極的に質問していました。
今後、川口市立高校の課題研究で大活躍してくれることでしょう。
株式会社ユニフローズ様、そして本多様、ありがとうございました。
・これがe-HPLC“ことり”です!
第14回科学の甲子園埼玉県大会
11/16(土)、東洋大学朝霞キャンパスで行われた科学の甲子園埼玉県大会へ参加しました。
今回は、昨年度特別賞を受賞したメンバーを中心とした理数科2年次によるAチーム、また昨年度科学の甲子園ジュニアで優勝したメンバーを後輩にもつ中高一貫コース1年次生によるBチームでエントリーをしました。
両チームとも、昼休みや放課後を利用し準備を重ねてきました。
結果、中高一貫生によるBチームが実技の部で第一位に入賞しました。「徹底的に前を狙い確実に得点を獲得する」という作戦が功を奏して伝統男子校を抑え堂々の一位という結果を手にし、理数科の先輩の結果を引き継ぐとともに附属中の後輩たちの成果にも報いたメンバーは清々しい表情で表彰台に登っていました。
最後にはお互いのチームの功績を讃え合い、科学の甲子園イメージキャラクター「アッピン」の前で集合写真を撮り、今後に続く川口市立高校の「伝統」を確認しながら今回会場となった新しい東洋大学朝霞キャンパスを後にしました。
・中高一貫コース生によるBチーム・理数科2年次によるAチーム ・Aチームの作品
・Bチームの表彰 ・全員でのワンショット
課題研究概論Ⅱ
11/15(金)、お茶の水女子大学より植竹紀子先生をお迎えして理数科1年次生対象の課題研究概論Ⅱを「課題研究を始めよう!~探究活動にチャレンジ~」と題して行いました。
課題研究を行うことで身につく力から始まり、調べ学習との違い、リサーチクエスチョンとは、PDCAサイクルを中心とした進め方、テーマの設定などについてわかりやすく講義していただきました。
まだ答えの見つかっていない「問い」を自ら見出し、そこから新しいことを見つけることは大変ですが、「面白い!」と思える好奇心を持って楽しむことを教えていただきました。
令和6年度お茶の水女子大学訪問
11/1(金)、理数科1年次生のお茶の水女子大学訪問を実施しました。
まず先日の生物実験講座でお世話になった千葉先生よりご挨拶を頂いた後、お茶の水女子大学名誉教授最上先生より今年度は「地球生命と重力ー物理・化学的視点で生物を見るー」と題して講義をして頂きました。ニュートンのアイデアとしての重力の公式に始まり、生物の仕組みを解明するために化学的視点、物理的視点の側面から「重力」という同じ対象を見ることをお話し下さいました。講義終了後、生徒たちは積極的に最上先生へ質問をし、主体的に対話から学ぶ姿勢を見せていました。
後半は、千葉研究室の学生の皆さんをガイドに、4班に分かれてキャンパスツアーを行いました。
大学の研究施設の実際に触れるとともに、千葉先生からは具体的なその使用についてデモンストレーションを頂き、生徒たちから積極的に疑問を引き出して頂きました。今の高校での学習の先にどのような知の探究が待っているのか、その一端を知る貴重な機会になったと思います。千葉先生、最上先生、千葉研のみなさま、そして課題研究等でいつもお世話になっている植竹先生、ありがとうございました。
【生徒の感想】
・施設にいる人みんな落ち着いていて凄かったです。図書館においてある本はレベルが高く教養が養われるような本がいっぱいあって、お茶の水女子大学だからなのか、大学がそういうものなのかなと思いました。
研究室はニムスに似ていて、似るではなくあれが研究室ってものなのか!と新たな発見ができました。超ミクロな針を作る機械があることに驚きました。国から支給される金が一番高い東大の研究室はどういったものなのか気になりました。研究室に憧れを抱きました
・図書館は似た分類の本がたくさんあって、広さも一階と二階にあって高校のとは規模が全然違って、凄いなと思いました。次に見た水槽室では、たくさんの水槽にヒトデが何匹もいて、また、ヒトデにも色々な種類があるんだなと思いました。お土産を買うところでは、普通のコンビニと同じような物が売っていたり、試験用の本がたくさんあったり、中には白衣や保護メガネなど見たことない物まで売っていて面白かったです。研究室では見たことのない機械や装置が色々あって、面白かったし、過去の人の資料などもたくさんあって、どんなことを研究しているかを知れたので、今後の課題研究に繋げていきたいです
生物実験講座
10/18(金)中間試験終了後の午後、理数科1年次対象の生物学実験講座を行いました。
今年度も、本校と提携しているお茶の水女子大学より千葉和義先生をお招きし減数分裂・染色体などについて講義およびヒトデの受精観察を行いました。
講義ではこれまで学習したことの知識を再確認するとともに、今回の観察実験で取り扱うことと有機的にリンクさせながら教えてくださいました。
また観察では、いつもお世話になっている植竹先生、そしてTAの山崎先生の御指導の下、生徒たちはホルモンをかけた卵巣が卵を放出する様子、実際にできた受精膜や第一極体などを顕微鏡を通し自分の目で見て、驚きと感動を体験したようでした。
2週間後には実際のお茶の水女子大学を訪問します。今日の学びを忘れず、また一つ本物に触れる経験値を積んでいきましょう。
【生徒の感想】
・湾岸生物合宿でウニの発生を観察した時に学んだことと比べてみたり、生物基礎の授業で学んだことと比べてみたりと、自分の知識を用いて実験観察をすることができた
・中学の時にも細胞分裂の観察をしたけど、今回は自分たちで受精させて観察をして、手順が多かったり、難しい話もあったけど、実験を成功させることができたし、新しい知識もついてとても面白かったです。