SSHの取り組み
理数科2年次理化学研究所訪問
12月16日(月)、理数科2年次生が和光市にある理化学研究所を訪問しました。
今回は、まず環境資源科学研究センターのケミカルバイオロジー・生合成チームリーダーである淡川孝義先生に「天然物と創薬」と題して講義を頂きました。人類が薬を作り出した歴史から始まり、天然物からどのようにして創薬を行うか、またこの10年での技術の進歩によりより効率的に行われるようになった構造の特定法など、いかにして薬を作っていくかという事の変遷を、化学や生物で習った事と関連付けながら紹介してくださいました。
その後、広報室の河野様より理化学研究所の概要について説明を頂き、本校SSH運営指導委員である櫻井博儀先生がセンター長を務める仁科加速器科学センターへ行き、サイクロペディアとサイクロトロンを見学しました。原子核物理の概要説明を受けた後、地下まで行って目の当たりにしたサイクロトロンの大きさに、どの生徒も驚きを隠せない様子でした。この埼玉に世界に類を見ない加速器があることに、改めて誇りを感じた1時間でした。
理化学研究所の皆様、ありがとうございました。
HPLC講習会
期末考査終了の12/10(水)、株式会社ユニフローズより本多様をお迎えして、今年度SSH予算で購入したHPLCの講習をして頂きました。
HPLCとはHigh Performance Liquid Chromatographyの略で、日本語では高速液体クロマトグラフと呼びます。定性・定量を行うための分析機器で、試料に含まれる複数の溶質成分を迅速かつ同時に分析することができます。
今日は理数科1・2年次生、中高一貫コース1年次生15名ほどが集まりました。HPCLの原理から始まり、どのように使っていくのか講義を受けた後、複数のお茶類(緑茶、ほうじ茶など)、ペットボトルコーヒー、栄養ドリンクに含まれるカフェイン・ビタミンCなどの解析を行いました。また使用する際には「共洗い」を徹底することなど、これまでの実験講座で習った事の再確認をする機会にもなりました。
レクチャー終了後、生徒は醸造学博士でもある本多様に今自分たちがしている研究でどのように使っていけばよいか、また今後の展望等について積極的に質問していました。
今後、川口市立高校の課題研究で大活躍してくれることでしょう。
株式会社ユニフローズ様、そして本多様、ありがとうございました。
・これがe-HPLC“ことり”です!
第14回科学の甲子園埼玉県大会
11/16(土)、東洋大学朝霞キャンパスで行われた科学の甲子園埼玉県大会へ参加しました。
今回は、昨年度特別賞を受賞したメンバーを中心とした理数科2年次によるAチーム、また昨年度科学の甲子園ジュニアで優勝したメンバーを後輩にもつ中高一貫コース1年次生によるBチームでエントリーをしました。
両チームとも、昼休みや放課後を利用し準備を重ねてきました。
結果、中高一貫生によるBチームが実技の部で第一位に入賞しました。「徹底的に前を狙い確実に得点を獲得する」という作戦が功を奏して伝統男子校を抑え堂々の一位という結果を手にし、理数科の先輩の結果を引き継ぐとともに附属中の後輩たちの成果にも報いたメンバーは清々しい表情で表彰台に登っていました。
最後にはお互いのチームの功績を讃え合い、科学の甲子園イメージキャラクター「アッピン」の前で集合写真を撮り、今後に続く川口市立高校の「伝統」を確認しながら今回会場となった新しい東洋大学朝霞キャンパスを後にしました。
・中高一貫コース生によるBチーム・理数科2年次によるAチーム ・Aチームの作品
・Bチームの表彰 ・全員でのワンショット
課題研究概論Ⅱ
11/15(金)、お茶の水女子大学より植竹紀子先生をお迎えして理数科1年次生対象の課題研究概論Ⅱを「課題研究を始めよう!~探究活動にチャレンジ~」と題して行いました。
課題研究を行うことで身につく力から始まり、調べ学習との違い、リサーチクエスチョンとは、PDCAサイクルを中心とした進め方、テーマの設定などについてわかりやすく講義していただきました。
まだ答えの見つかっていない「問い」を自ら見出し、そこから新しいことを見つけることは大変ですが、「面白い!」と思える好奇心を持って楽しむことを教えていただきました。
令和6年度お茶の水女子大学訪問
11/1(金)、理数科1年次生のお茶の水女子大学訪問を実施しました。
まず先日の生物実験講座でお世話になった千葉先生よりご挨拶を頂いた後、お茶の水女子大学名誉教授最上先生より今年度は「地球生命と重力ー物理・化学的視点で生物を見るー」と題して講義をして頂きました。ニュートンのアイデアとしての重力の公式に始まり、生物の仕組みを解明するために化学的視点、物理的視点の側面から「重力」という同じ対象を見ることをお話し下さいました。講義終了後、生徒たちは積極的に最上先生へ質問をし、主体的に対話から学ぶ姿勢を見せていました。
後半は、千葉研究室の学生の皆さんをガイドに、4班に分かれてキャンパスツアーを行いました。
大学の研究施設の実際に触れるとともに、千葉先生からは具体的なその使用についてデモンストレーションを頂き、生徒たちから積極的に疑問を引き出して頂きました。今の高校での学習の先にどのような知の探究が待っているのか、その一端を知る貴重な機会になったと思います。千葉先生、最上先生、千葉研のみなさま、そして課題研究等でいつもお世話になっている植竹先生、ありがとうございました。
【生徒の感想】
・施設にいる人みんな落ち着いていて凄かったです。図書館においてある本はレベルが高く教養が養われるような本がいっぱいあって、お茶の水女子大学だからなのか、大学がそういうものなのかなと思いました。
研究室はニムスに似ていて、似るではなくあれが研究室ってものなのか!と新たな発見ができました。超ミクロな針を作る機械があることに驚きました。国から支給される金が一番高い東大の研究室はどういったものなのか気になりました。研究室に憧れを抱きました
・図書館は似た分類の本がたくさんあって、広さも一階と二階にあって高校のとは規模が全然違って、凄いなと思いました。次に見た水槽室では、たくさんの水槽にヒトデが何匹もいて、また、ヒトデにも色々な種類があるんだなと思いました。お土産を買うところでは、普通のコンビニと同じような物が売っていたり、試験用の本がたくさんあったり、中には白衣や保護メガネなど見たことない物まで売っていて面白かったです。研究室では見たことのない機械や装置が色々あって、面白かったし、過去の人の資料などもたくさんあって、どんなことを研究しているかを知れたので、今後の課題研究に繋げていきたいです
生物実験講座
10/18(金)中間試験終了後の午後、理数科1年次対象の生物学実験講座を行いました。
今年度も、本校と提携しているお茶の水女子大学より千葉和義先生をお招きし減数分裂・染色体などについて講義およびヒトデの受精観察を行いました。
講義ではこれまで学習したことの知識を再確認するとともに、今回の観察実験で取り扱うことと有機的にリンクさせながら教えてくださいました。
また観察では、いつもお世話になっている植竹先生、そしてTAの山崎先生の御指導の下、生徒たちはホルモンをかけた卵巣が卵を放出する様子、実際にできた受精膜や第一極体などを顕微鏡を通し自分の目で見て、驚きと感動を体験したようでした。
2週間後には実際のお茶の水女子大学を訪問します。今日の学びを忘れず、また一つ本物に触れる経験値を積んでいきましょう。
【生徒の感想】
・湾岸生物合宿でウニの発生を観察した時に学んだことと比べてみたり、生物基礎の授業で学んだことと比べてみたりと、自分の知識を用いて実験観察をすることができた
・中学の時にも細胞分裂の観察をしたけど、今回は自分たちで受精させて観察をして、手順が多かったり、難しい話もあったけど、実験を成功させることができたし、新しい知識もついてとても面白かったです。
令和6年度理数科2年次課題研究中間発表会
10/4(金)、本校小アリーナにて理数科2年次課題研究中間発表会を行いました。
今回は運営指導委員の先生方・理数科1年次生に加え、初めて附属中2年生が見学に来ました。
さらに、急遽サプライズで理数科3年次の先輩方にも発表を聞きに来ていただきました。3年生からは昨年の体験を踏まえた鋭い意見を各チームもらい、刺激を受けていました。
附属中2年生たちは、ちょうど理科の授業で勉強している分野とリンクした内容の研究も多く、疑問や学びを高校生たちにぶつけているようでした。
今日頂いた意見をもとに、よりよい研究となるよう探究を続けていきましょう。そして次はプナホウスクールの生徒たちへ英語で発表します。臆せず、海外の高校生へ「プレゼンテーション」できるように準備をしていきましょう。
・CIRからの英語の質問にも頑張って答えました!
【研究タイトル】
・A班:多感覚知覚~視覚に及ぼす聴覚の影響~
・B班:野菜の色素を利用した色素増感太陽電池の開発
・C班:ソリダゴ・カナデンシスからのカフェ酸抽出研究
・D班:圧電素子による靴底発電
・E班:藻類の色素を用いたインク作り~適切な抽出方法と培養方法、絵具制作のの方法の調査~
・F班:白色腐朽菌によるリグニンの分解
・G班:ハチノスツヅリガの湿度によるプラスチック分解の変化
・H班:二酸化炭素の抽出~多孔質な固体~
・I班:うま味と4味による唾液分泌量の変化
課題研究中間発表に向けて
理数科2年次課題研究の中間発表まであと一週間となりました。
各チーム、ポスター作成や実験データ取りなど、ラストスパートをかけていました。
・カフェ酸の色を確認しているC班
・ポスター作成協議中のH班、D班のメンバー
・D班の作成した圧電素子電圧測定器
令和6年度つくば研修
9/20(金)、理数科1年次つくば研修を実施しました。
午前中は産業技術総合研究所の地質標本館・サイエンススクエアを見学しました。
地質標本館では3グループに分かれ、地学研究者の方による詳細なガイド説明のもと様々な岩石や地質・プレートに関する事項、日本列島の成り立ちなどを学ぶことができました。
サイエンススクエアでは、最新の技術について展示を見ながら地質館と同様にガイドを受け、これからの時代を変えるような新しい技術を目の当たりにすることができました。
午後は、筑波大学プラズマ研究センターとNIMS(物質・材料研究機構)に分かれ、研究所訪問を行いました。それぞれプラズマ、構造色、スマートポリマー、バイオミメティクス、超電導の研究者から講義を受けたのち実際の研究室を訪れ、どのように最先端の研究が行われているかを体験しました。
・NIMSスマートポリマー班 このように少人数で日本最高峰の研究室を訪問し、研究者から話を聞きます。
【生徒の感想】
・NIMSが研究の軸としている、素材の開発をした研究室で、実際の人たちが作業しているところを見て、研究のイメージがはっきりしました。ほんの一部では有りますが。スマートポリマーを開発した荏原博士が研究で大切なことや、開発したもので今後どのような活動をしたいのかを詳しく聞けて、研究者への道がなんとなく開けたような気がしました。スマートポリマーの仕組みが分かりました。ですがほかの環境条件の変化による可逆的なポリマー応答が可能か気になったので、自分でももっと調べてみたいと思います。
・超伝導について、事前に調べて大まかにどんなものかは知っていたけど、実際に話を聞いて、色々細かい性質や、これまでにどんな実験、研究がされていたのかについても知れたし、超伝導に関する実験も色々体験させてもらえてとても良い経験になりました。
・プラズマに関して調べたことよりわかりやすく伝えてきてくれたことや電気を帯びたプラズマは、磁力線に巻き付くというサイクロトロン運動やプラズマ閉じ込め方式のトカマク型やミラー型の構造解説、プラズマの発生方法など知らなかった知識をわかりやすく教えてくれました、また、3Eのトリレンマ問題(3E+S)やITER計画の説明なども知らなかったので驚きました。
普通科・総合探究Ⅰでのプレゼン講座
9/19(木)、理数科1年次4名が普通科のSS総合探究Ⅰにてプレゼンテーション講座をオンライン配信で行いました。
これまでの理数探究で学習してきたプレゼンの型を、普通科の同級生たちに「プレゼンテーション」しました。
ジェスチャー・ポスチャー・アイコンタクト・ボイスや、イントロダクション・ボディ・コンクルージョンなどプレゼンテーションの基本的用語をそれぞれ解説した後、一人一人が実際に発表を行って(このために各自スライドを作成しました!)どのように相手に自分の考えを伝えるのか、この半年の成果を披露しました。
・アイコンタクトの練習