進路指導部からのメッセージ
部活を引退したら
6月を迎え、そろそろ3年生が引退をする部も出始めました。部活をやりきった人は、ここで気持ちを切り替えて本格的な受験勉強を始めることができます。これまで部活に向けてきた時間を勉強時間に変え、部活を通じて培った気力をもってあたれば、今後ずいぶんたくさんの勉強ができそうです。
ところが、部活を引退したものの、なかなか受験生に気持ちを切り替えることができないケースがあります。夕方明るいうちに帰宅してもすぐに机に向かうことができなかったり、何から手をつければよいかわからないまま、毎日を過ごしてしまうことがありがちです。
そういう場合は、放課後に学校の自習室に残って勉強をしてはどうでしょうか。後輩が部活動をやっている時間に、自習室で勉強をすれば、間違いなく部活に向けていた時間を受験勉強に向けることができるはずです。また、これから自分が取り組む勉強の見通しを立てて計画的に進めることも大事です。1学期末までを計画に従って勉強を進め、「計画力」を身につけて夏休みを迎えることができれば成功です。
勉強計画の立て方
2年生の生徒と面談をしていて、勉強が計画的にできているかどうか聞くと、「計画は立てるが、うまくいったことがない。」という答えが返ってきます。どうしたらうまく進められるのでしょうか。
計画を立てるコツは欲張らないことです。最低、これだけはやろうというものを計画に盛り込めばよいのです。これっぽちでいいのかな、と思う勉強量でも、こつこつ毎日積み上げると意外にたくさんの勉強ができるものです。
例えば、数学の練習問題であれば1日3問だけ、とします。これを6日間進めて、7日目は空白にします。計画どおり進まなかった場合は7日目に帳尻を合わせ、1週間の計画は着実に完結します。これでも4週間積み上げると72問解くことになります。
少しずつでも毎日進めること。こうすれば勉強ゼロの日はなくなるはずです。計画が軽かったら、プラスアルファを足していけばよいのです。今から期末考査まで、少しずつ積み上げる経験をしてください。こうして「計画力」を身につけて夏休みを迎えることができれば、しっかり計画的な勉強ができるようになるはずです。そして修学旅行から帰ってきたら、3年生ゼロ学期。徐々にボリュームアップしていきましょう。
受験勉強は計画を立てて
進路指導室に相談に来る3年生のなかに「大学受験が不安です。」と訴える生徒がいます。
不安なのは誰も一緒です。みんなで励ましあって受験勉強をやり抜くしかないのですが、不安感を少しでも和らげるためには、勉強の計画を立てることが重要です。
1か月の計画から1週間の計画を逆算し、今日進めるべき勉強内容を具体的に立案します。1週間の計画を6日で終えるようにプランを作成し、7日目は計画どおりにいかなかったときに調整して完結するようにします。不安なまま漫然と日が過ぎてしまうことのないように、1日1日少しずつ目標に近づいている、ということを実感して過ごすことで不安感を和らげることができるのです。
中間考査を終えたところで、この週末から受験勉強をどう進めるかを立案してください。そして1学期末には、夏休みとその前後を合わせた8週間の計画を立てられるよう、「計画力」を養いましょう。
受験速報会を開催しました
志望校への合格を果たした3年次生のうち26人を招いて、受験速報会を実施しました。2年次生は対面で、1年次生はオンラインで先輩の体験談を聞き、質問をしました。先輩は4回話をし、下級生は4か所の話を聞きました。
生活のリズムを整えて、ルーティーンを定着させよう。教材はあれこれ手を出すのではなく、一つを繰り返しやろう。スマホは一日30分と決めて、勉強するときは遠ざけよう。受験勉強を楽しもう。模試の判定が悪くても、最後まであきらめなかったのがよかった。私立は共通テスト利用入試で出願し、国立の個別入試対策に専念した。大学入試といっても、基礎の積み重ねだから、教科書と授業が大事。といった、アドバイスを聞くことができました。
現役生の37名が国公立大学に合格しました。今、後期の発表を待っているところです。難関私大にも、多くの生徒が合格をしています。先輩がつけてくれた道に、後輩も続いていこうと、改めて身を引き締めたことと思います。
情報に惑わされない受験生
ニューヨーク大学経営学部のスコット・ギャロウェイ教授は、ITの技術革新の功罪について、次のような指摘をしています。メディア企業は広告収入を収益としているため、読者がより多くをクリックしてつながることを求めている。それを促すのは「怒り」である。例えば「ワクチンが子供の病気を減らす。」と科学的な記事を書いてもコメントは寄せられないしシェアもされない。「ワクチン接種はやめるべきだ。」と投稿するとすぐさま反論が寄せられ、多くの議論と怒りを呼ぶ。するとメディア企業は、これを「よい記事」と判断して、この記事が人の目に触れる機会を増やしていく。と。つまり実社会では注目されない主張が多くの人に影響を与え、フェイクニュースを生み出すのです。
受験生の皆さんは、入試に関する様々な情報、例えばどの大学の倍率が上がる、下がるといったことに目が行くことと思います。しかしネット上の情報は玉石混交です。倍率は志願者が出願しなければわからないものであり、単なる憶測です。倍率が上がろうが下がろうが、それで合否が大きく変わることはありません。情報に惑わされることなく、今はじっくりと勉強を積み上げていくべき時です。
共通テストまで、あと39日。5週間以上あります。