理数科
筑波大学プラズマ研究センター講演
新型コロナウイルス感染症の影響により校外実習の実施が難しい状態が今なお続いています。例年ですと10月末には、筑波研究学園都市に出向いて「筑波研修」を実施していましたが、受け入れ先との調整を進めた結果今年度の実施は断念しました。
【昨年度の「筑波研修」の様子: JAXA、NIMS (バイオミメティクス)、NIMS (超伝導)】
これに代わるものとして今年度は、昨年度の筑波研修でお世話になった筑波大学プラズマ研究センター 副センター長の假家 強 准教授にZoomによる講演を2020年10月23日にお願いしました。
核融合とプラズマに加えて、タンデムミラー装置ガンマ10をご紹介いただきました。
假家 強 准教授には、お忙しい中ご講演いただきありがとうございました。
なお、筑波大学プラズマ研究センターのタンデムミラー装置ガンマ10【外部サイトへのリンク】 については、こちら【外部サイトへのリンク】をご覧ください。
川口市立科学館研修
2020年10月9日の7時間目と放課後の時間を使って、川口市立科学館での研修を実施いたしました。
川口市立科学館は、本校に隣接する施設であることから、6時間目まで授業を受けた後すぐに全員徒歩で移動し、7時間目の「総合的な探究の時間」での実施となりました。
今回は、新型コロナウイルス感染症対策として屋上展望台に上がることができませんでしたが、プラネタリウムを貸し切りとして研修を実施していただきました。
プラネタリウムのドームを大画面スクリーンとした講義を前半に行い、後半には一般公開していないプラネタリウムプログラムにて学習を行いました。
前半は、川口市立科学館の職員の方による「系外惑星」に関する解説です。
(解説中はドーム内での写真撮影ができませんので、解説直前の写真となります。)
今回の研修は折りしもノーベル賞が発表されている週ですが、2019年のノーベル物理学賞は「系外惑星」に関する研究が受賞しました。
太陽系以外の恒星を周回する惑星を「系外惑星」と呼ぶとのことですが、ノーベル賞受賞の研究において系外惑星が観測されたことで、地球以外にも生命が存在する可能性が出てきたとのことです。
後半は、一般公開していないプラネタリウムプログラムでの学習となります。
プログラムの内容は、太陽を含めた恒星の一生についてとなりました。
(プログラム上映中はドーム内での写真撮影ができませんので、入館直後の写真となります。)
夜空を彩る星々は太陽以外の恒星ですが、その星々の色や明るさはまちまちです。
観測により恒星の温度(星の色に相当)と明るさ(絶対等級)をまとめたものが、ヘルツシュプルング-ラッセル図 (H-R 図)と呼ばれるものになります。この図から、恒星が主系列星、赤色巨星、白色矮星と呼ばれるグループに分けられるとのことです。
今回のプログラムでは、このH-R図を読み解くのに必要な知識の解説とH-R図発見の経緯、そして発見からかなりの時間をおいて分かったH-R図が意味すること(恒星の一生とH-R図の関係)について解説が大スクリーンの迫力ある映像で行われました。
このプログラムにより、H-R図には、恒星の壮大な一生が記されていることがわかりました。
今回のコロナ禍において今年度は様々な校外実習の実施ができない中、川口市立科学館の様々なご配慮により今回の研修が実施できましたことをお礼申し上げます。
川口市立科学館は、本校に隣接する施設であり、本校と同じく川口市立の施設でもあることから、今後より連携させていただき、川口市の理数教育のより一層の発展に力を入れたいと思います。
令和2年度第1回 東京大学「知の協創 実践学講座」
2020年8月6日に第1部、8月9日に第2部の二日間に渡り、令和2年度第1回 東京大学「知の協創 実践学講座『物理を学ぶ,物理を作る~高校物理から宇宙研究の最先端へ~』」が本校においても開催されました。
本講座は、例年ですと東京大学において開催され、各学校からの代表者5名程度が参加して行われていました。今年度は、新型コロナウイルス感染症の影響で実施が危ぶまれていましたが、オンライン会議を活用して参加校各校でそれぞれ開催されました。
第1部は、東京大学CoREFの研究協力員であり、本校の特別非常勤講師の 堀 公彦 先生に授業をお願いいたしました。今回は、本校の三つの教室をオンライン会議(Zoom)で結んで、堀先生に同時に三教室の授業を進行していただきました。
第2部は、川口市立高校、春日部高校、所沢北高校、日立会場の中学生をオンライン会議で結んで、東京大学 Kavli IPMU(カブリ数物連携宇宙研究機構)初代機構長の 村山 斉(むらやま ひとし)博士に授業を実施していただきました。
内容盛り沢山なので、少々長い記事になりますが、最後までお付き合いいただければと思います。
今年度は、「理数科オリエンテーション合宿」や「日本科学未来館研修」の実施が見送られ、理数科の校外型実習が実施できていませんでした。そこで、今回の「知の協創 実践学講座」を理数科の行事と位置づけ、理数科1年次と2年次を原則全員参加というかたちで大規模に実施することとしました。
1年次と2年次の「縦の交流」を大規模に実現する理数科初の行事であり、80名近くの生徒での知識構成型ジグソー法による授業に加えて、ソーシャルディスタンスを意識した教室の分散とオンライン会議 (Zoom)を活用した授業という、初めてづくしのチャレンジングな授業となりました。
第1部 知識構成型ジグソー法による授業 (2020年8月6日)
まずは、8月6日の第1部の様子です。
通常ですとこのような規模の活動の場合、本校の小ホールで活動を行うのですが、ソーシャルディスタンスを意識すると80名近い生徒が知識構成型ジグソー法のようにグループを作ったり、部屋の中を移動するのに適切な部屋がありませんでした。
そこで、40名収容の教室を三つ使って、各部屋をZoom (各部屋2カメラ体制) で結んで、今回の授業を各部屋同時に行うことにしました。
東京大学CoREFの研究協力員であり、本校の特別非常勤講師の堀 公彦 先生が授業を実施します。
今回の授業のテーマと授業の進め方について冒頭の説明となります。
まずはじめに、授業冒頭に「科学者は広大な宇宙の仕組みや成り立ちをどのように探究しているでしょう?」という問いに、各人の考えをワークシートに記入するプレ活動から始まります。
授業冒頭の各部屋の様子です。
堀先生は、三部屋のうちの一つの部屋で授業を行っています。
残り二つの部屋の様子です。
補助となる教員を配置していますが、別室の堀先生の顔や音声、スライド、他教室の様子は、Zoomを用いて各教室正面に映し出され、基本的にはそれに従って授業が進められていきます。
こちらは、同時刻の二つ目の部屋です。
こちらは、ほぼ同時刻の三つ目の部屋の様子。
正面の画面の様子。
本日の課題が映し出されています。
同時に堀先生の様子や他の部屋の様子も映し出されています。
今日の課題に向かって、知識構成型ジグソー法による授業が始まりました。
実は、上にある課題からもわかるように、宇宙物理学の研究者が理論から導き出された結論や様々な観測結果から得られた結果を統合して、宇宙の姿に迫っていく過程を知識構成型ジグソー法を通じて疑似体験する内容となっています。
まずは、グループに別れてA、B、Cの三つの資料に基づいたエキスパート活動の様子。
三部屋すべての班は、1年次と2年次の混在グループとなっています。
(2年次の先輩、ちゃんと1年次の後輩をフォローしてくれているでしょうか?)
エキスパート活動のあとは、グループが再構成され、A、B、Cの資料に関するエキスパート一人づつが一つの班に集まり、それぞれの内容をグループ内で共有して、本日の課題の解決に向かっていきます。(これをジグソー活動といいます。)
各班で話し合った内容をポスターシートにまとめていきました。
このあと、各班で話し合った内容を発表して、各班の内容を共有するするクロストーク活動を行いました。
今回は、各教室の発表を順に行こない、その様子をZoomを使って残りの部屋に投影して、その内容を共有しました。
クロストーク活動終了後は、東京大学 Kavli IPMUの大学院生である片寄さんと小嶋さんとが、Zoomのオンラインミーティングに参加していただき、クロストーク活動で出てきた質問点などにお答えいただきました。
堀先生がいる部屋とは別の部屋のほぼ同時刻のスクリーンの様子。
画面右上に堀先生、画面下に小堀さんと小嶋さん、その他は各部屋の様子(2カメラ体制)映し出されています。
質疑応答のあと、本日のまとめと第2部に関する説明を堀先生にしていただき、第1部は終了となりました。
内容の濃い一日でした。
第2部 村山先生と各校を結んだオンライン授業 (2020年8月9日)
第1部は、各校がそれぞれの日程で実施しましたが、第2部は参加校と村山先生を結んでの一斉オンライン授業となります。
本校では、第2部は本校の大ホールに全員が集まっての授業となりました。
500人収容のホールなので、ソーシャルディスタンスを考慮した座席配置でも、ホールの前半分だけで約80名の生徒が収まりました。
冒頭、村山先生のご挨拶。
Zoomにより大ホールの大画面に村山先生が映し出されました。
教室のプロジェクターとは異なり、大ホールのスクリーンは迫力があります。
講義スタートです。
我々の住む宇宙についての最先端の研究内容を高校生に分かる形で、講義していただきました。
話は進み、今回の授業の核心となったダークマター (暗黒物質) についての説明となります。
こちらも高校生に分かる形でご説明いただきました。
続いて、各校で行われた第1部ででてきた質問に村山先生が回答していきました。
高校生からの質問に、わかり易く丁寧に回答していただきました。
村山先生の授業の最後に、各校からの飛び入りの質問にも答えていただきました。
本校からも村山先生に質問を生徒からさせていただきました。
今回の講座のタイトルは、「物理を学ぶ,物理を作る~高校物理から宇宙研究の最先端へ~」となっています。
改めて、高校で学ぶ物理は最先端の宇宙物理学につながっているのだと、今回の村山先生の講義を聞いて感じました。
また、高校の物理を知っていることで、最先端の宇宙物理学を楽しむことができるということに改めて気が付きました。
村山先生との回線を切断し、最後は各校ごとにこの2日間を経験をした上で、第1部冒頭での「科学者は広大な宇宙の仕組みや成り立ちをどのように探究しているでしょう?」という問いに、再び各人の考えをワークシートに記入するポスト活動を行って、今回の授業は終了となりました。
授業の冒頭と最後で同じ問に取り組んでもらいましたが、果たして皆さんお答えはどのように変化したでしょうか。後日、堀先生と分析するのが楽しみです。
第1部では、知識構成型ジグソー法を通じて、最先端の宇宙物理学の研究者の研究のアプローチに触れることができました。
第2部では、村山先生から最先端の宇宙物理学についてわかりやすくご説明をいただき、生徒の質問にも回答していただきました。
今回の体験はかなりエキサイティングで、新型コロナウイルス感染症に負けることなく、まさしく「知的好奇心が加速する」2日間となりました。
長い記事となりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
1年次 理数科 課題研究概論
2020年6月26日、1年次の総合的な探究の時間では「課題研究概論」と題して、これから取組む課題研究の進め方などについての概論を実施しました。
今回の講義は、お茶の水女子大学の千葉 和義 教授と植竹 紀子 先生にお願いしました。
初めに、千葉先生から課題研究へ挑むにあたって、テーマを決定する際に注意したい点についてお話をいただきました。
次に、植竹先生より課題研究の進め方などについての講義です。
続いて、テーマを決定する際に必要となる論文調査など方法について、具体的に「理科自由研究データベース」を用いた実習などを行っていただきました。
科学プレゼンテーション講座 その2
新型コロナウイルス感染症への対応により、例年とは違う形での「総合的な探究の時間」となりましたが、多くの方々のご協力により本格的な活動を徐々に始めています。
2020年6月19日の理数科1年次の「総合的な探究の時間」は、6月6日の「科学プレゼンテーション講座」に引き続き、中部大学の井上教授にお願いいたしました。
授業冒頭での井上教授からお話。
今回は、プレゼンテーションの練習をメインに行いました。
前回は隣や前後の人とペアーになっての発表練習でしたが、今回は、4人グループで3人の聴衆(グループによっては先生が入って4人)に向かってのプレゼンテーションの練習になります。
ジェスチャー・ポスチャー・ボイス・アイコンタクトをしっかり意識しての練習です。
聴衆の人数がちょっと増えただけでも緊張度はすさまじいです。
最後に、日本人初のNASA宇宙飛行士である毛利衛さんのお話を交えて、今回のようなトレーニングを行う意義についてのお話で締めくくりとなりました。
トレーニングは、本番で成功するために行うものなので、トレーニング中は失敗という名の「経験」を数多く体験し、トレーニングで失敗を出尽くすことが、本番での成功につながるとのことでした。作多くの失敗という名の「経験」ができる学校という環境で、クラスのみんなで失敗を共有し、さらに成長していって欲しいとのメッセージでした。
例年ですと、この講座は入学直後の「理数科オリエンテーション合宿」の時に半日以上、その学校で半日行われる規模の内容ですが、今年度は「理数科オリエンテーション合宿」は中止となり、井上教授には同様の内容を密度を濃くし、分割しての実施をお願いしておりました。
今年度は、まだまだ先の見えない状況が続きますが、多くの方々のご協力をいただきながら理数科の活動を継続していきたいと思います。
科学プレゼンテーション講座 ~つづき~
科学プレゼンテーション講座の活動内容報告の続きです。
今回の科学プレゼンテーション講座は、いわゆるパワーポイントの使い方講座ではありません。
発表をするのに大切なことは何なのか、コミュニケーションとは何なのか、プレゼンテーションの型とはどのようなものかを練習を踏まえながら、体験を通じて習得していきます。
スライドを追加して隣の人に対して発表練習中。
練習の回を重ねて、発表自体に熱がこもってきました。
今日作ったスライドが完成しました。全体を通しての練習をしています。
最後に代表者3名がみんなの前でプレゼンテーションを行いました。
始まった時には、戦々恐々としていましたが、今日の90分2回の計180分の授業の終わりには、堂々と発表が行えるまでに成長しました。
ほかの人とコミュニケーションをとったり、人前で発表する機会がますます増えてくるので、今日の内容が今後の活動に多い役立つことと思います。
科学プレゼンテーション講座
新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言が解除され、本校も徐々に教育活動を活性化していっています。
本日は、理数科1年生を対象とした「科学プレゼンテーション講座」を実施しています。
今回も中部大学 井上徳之 教授にご指導をお願いしております。
まずは、プレゼンテーションにおける「4つのテクニック」についての説明です。
先端科学が書かれた書籍から今日プレゼンテーションしたい内容を選びます。
書籍選びもグループで重ならないように、アイコンタクトやジェスチャーを使いながら自分たちで選んでいきます。
書籍の中には6つのテーマについて書かれています。この中から自分が興味のあるものを選び、今日のプレゼンテーションのテーマとします。
隣の人に書籍から自分が選んだ内容のタイトルを示すところからプレゼンテーションの練習開始です。
現在、この記事を書いている時点で授業はまだ始まったばかりです。
この先内容はまだまだ進んでいます。
授業が終わったところで再度ご報告いたします。
1年理数科課題研究 中間発表
2020年2月14日 (金) 6限、2020年3月10日 (火) に1年生理数科課題研究の中間発表を行います。現時点の1年生の課題研究では、科学的な仮説を立てて、研究テーマを決定し、研究の目的・方法までを組立てることを目指しています。
本日2月14日は、お茶の水女子大学 千葉 和義 教授、中部大学 井上 徳之 教授、TAKE国際技術研究所 黒澤 兵夫 様のお三方にご講評を頂く形で、全10班中5班が発表を行いました。
川口市立上青木中学校科学部 電子顕微鏡実習
1月初頭から3月初頭にかけて本校に卓上低真空走査型顕微鏡が設置されています。
日立ハイテクノロジーズ様によるCSR活動の一環として、昨年に引き続き本年も設置していただきました。
県立でも私立でもない市立高校の強みとして、市内の公立中学校の皆さんにこの電子顕微鏡を使っていただくことにしました。
今回は、川口市立上青木中学校の科学部の皆さんが、それぞれ見たい試料を持ち寄って本校に設置してある電子顕微鏡で観察を行いました。
まず初めに、本校の羽二生教諭による電子顕微鏡の概要説明と簡単な取り扱い方法の説明を行いました。
この後の電子顕微鏡の操作や観察は生徒の皆さんにほとんど全てお任せすることになります。
ある班の試料台に乗せた試料です。
生徒の皆さんが自分の手で電子顕微鏡を操作して、試料を観察しています。中学校の先生も本校の教員も基本的にはノータッチの状態で、生徒の皆さんに自由に使ってもらいます。
通常は、顕微鏡に接続されたパソコン画面に電子顕微鏡の映像が出てくるのですが、全員で観察するには小さいので、ガラス黒板にパソコンの画面を投影してみんなで電子顕微鏡の映像を観察しています。
皆さん初めての体験で楽しそうに活動をしていました。
生徒の皆さんだけで活動をしているので観察がうまくいかない場面もいくつかありました。その場合は高校教員がフォローしますが、うまくいかないことも大事な体験です。
今回の体験を通じて、ミクロの世界にさらに興味を持ってくれればうれしい限りです。
理数科課題研究概論
理数科1年生は、2年生での本格的な課題研究の実施に向けてお茶の水女子大学と連携して「課題研究概論」の授業を実施しています。
今回は「分析化学入門 ペーパークロマトグラフィーの基礎 ~課題研究の進め方を学ぼう~」と題して、お茶の水女子大学エデュケーションセンターの植竹紀子先生による実験実習です。
今回は、水性ペンのインクをペーパークロマトグラフィーで分析する実験を行います。
植竹先生による実験手順の説明の様子です。
1回目の実験の結果と考察をワークシートに記入しました。
左側のろ紙は水性黒インクを水で展開したもの、右側のろ紙は同じインクをメタノールで展開したものです。色がきれいに分離していますが、明らかに双方に違いがあります。
今回は、ここからが本番。
最初の実験を受けて、エタノールで展開したときに赤色はどこに行ったのだろうということを考え仮説を立てます。その仮説に基づいて、それぞれの班で赤色を探す実験を考え、実際に行ってみます。
こちらは最初の点にまだ赤色が残っているのではないかと考えて、エタノールで展開したろ紙の出発点だけを切り取り水の中に入れてみました。
大きいろ紙で実験中。
エタノールと水の2種類の展開液で平面的に展開してます。
それぞれ考察をワークシートにまとめています。
通常の授業での実験のようにあらかじめすべての手順が決められているわけではなく、実験結果に基づいて自ら考え、次の実験を展開していくという今回の実習を通じて、課題研究の進め方を体験することができました。
理数科課題研究
2年生理数科は毎週金曜日の6、7限、1年生理数科は毎週金曜日の7限に課題研究に取り組んでいます。
本日は、その様子をご紹介します。
まずは2年生の課題研究から、プラナリアを用いた課題研究グループの活動の様子。
株式会社日立ハイテクノロジーズ様のCSR活動の一環として、昨年同様1月から本校に卓上低真空走査型電子顕微鏡が設置されています。このグループは、プラナリアの切断面を電子顕微鏡を使って観察しようとしています。
資料台にプラナリアを切断した試料をセットした様子。
サンプルを電子顕微鏡にセットしている様子です。
電子顕微鏡により映し出された映像をガラス黒板上のスクリーンに投影しています。
今日最初の映像です。プラナリアの断面ということですが...。
この後も条件を変えた資料を観察していました。
場所は変わって、こちらは1年生。
1年生は2学期までの間に様々な大学等の機関で実習を行ってきました。3学期は、その体験を活かして、今度は自分たちが知りたいことを課題研究として行うための準備に入っています。
教室で各々タブレットを使い調べものしながら、グループ内で議論を行い、課題研究で何を行うのかを決定しています。
2年生は、今までのまとめとして、レポート作成と日本語と英語のA0判ポスターを作成して発表するための準備へと取り掛かります。
1年生は、パワーポイントを使い、2年生でどのような課題研究を行うのか発表するための準備に取り掛かります。
お茶の水女子大学研究室訪問・講義等体験
2019年11月15日 1年理数科はお茶の水女子大学理学部生物学科の千葉和義教授の研究室を訪問しました。
当日は、2時間目まで学校で授業を受けた後、お茶の水女子大学へ各自移動後、千葉先生の研究室で講義と実験を体験させていただきました。
実験の後は、附属図書館をはじめ学内を見学させていただきました。
まずは、前回の宿題、自分たちのテーマで日常的に思っている疑問点がどのようなものがあるかを用紙にまとめて、後ほどそれについてのコメントをいただきます。
続いて、この後行うウニの卵を使った受精に関する実験について、千葉先生からの講義を受けています。
講義のあとは、実験開始です。
ウニから卵巣を取り出している様子です。
ウニの卵巣に排卵を促すホルモンを与えています。
排卵の様子を一人一台の実体顕微鏡を使って観察しています。
あらかじめ採取・冷却した精子を温めないようにマイクロピペットで吸い出しています。
この後、抽出したウニの卵の一部に精子を与え受精させます。
受精時の反応は速いので、精子を与えたあとはすぐに観察します。
今回の実験は皆さん大盛り上がりで、ご指導いただいた千葉先生、植竹先生をはじめ、千葉先生の研究室の学生さんも一緒になって楽しげな雰囲気でした。
今回は、貴重な体験をさせていただきありがとうございました。
千葉先生、植竹先生、千葉研究室の学生の皆さん、大変お世話になりました。
このあとは、行内見学を行い、講義室に戻って最初にまとめてもらった疑問点についてのお話。
まだまだ、壮大な疑問が多くどうやってこれを、課題研究のテーマとするかまでにはもう少し時間が必要ということでした。千葉先生と植竹先生には、今後も課題研究のテーマの設定に向けた活動をお願いしています。
今回の経験が、理数科の生徒の皆さんの今後の課題研究に結びつくことを願ってやみません。
理数科1年生課題研究概論 (お茶の水女子大学 千葉教授)
理数科1年生は、今後の課題研究に向けてテーマを決め始めています。
今まで、課題研究に取り組んだことのない人にとって、研究テーマを決定するということは容易なことではありません。テーマが壮大過ぎたり、逆にピンポイント過ぎて研究の膨らみが見出せなかったり、さらには科学的な仮説をうまく建てられなかったりと苦労します。
そこで、2019年11月1日にお茶の水女子大学 理学部生物学科の千葉 和義教授にテーマを決め始めた生徒たちに向けて、どのようにテーマを絞り、どうやって科学的仮説を立てるまでに至るのかということでお話をいただきました。
最終的な科学的仮説を立てて、実際の研究に至るまでは、研究しようという内容について自分が日常的に疑問を感じていることをたくさん出すことが大切とのこと。
自分が興味を持ったテーマについて、日常的に感じる疑問は何だろう、どれだけ思い浮かぶだろうかと生徒に語り掛けます。
このあと実際の課題研究のグループごとに、自分たちのテーマの日常的に感じる些細な疑問をグループで共有します。
グループの話し合いの中に千葉先生が入っていき、出てきた疑問について生徒と一緒に語り合っています。
自分の疑問をさらに出してみようという宿題が出て、今回の講演は終了です。
2週間後にお茶の水女子大学の千葉先生の研究室を訪問させていただく際に、研究室での実験とともに今回の内容の続きをお話しいただきます。
科学の甲子園 埼玉県大会
11月2日、第9回科学の甲子園 埼玉県大会がに埼玉県立総合教育センター (行田市) において行われました。
本校からは12名 (理数科2年生8名、理数科1年生4名) が出場しました。
2年生は8人中7人が、昨年度も出場してくれたメンバーです。
理数科2年生は直前までハワイでの海外研修に出かけており、帰国後すぐに進研模試1日かけて5教科受けるというハードスケージュールの中での出場となりました。
大ホールにて大会の開催を持ちます。若干緊張した面持ちのようです。
開会式が終了すると、筆記競技 (物理、化学、生物、地学、数学、情報の6科目) が60分、昼食をはさんで、実技競技 (制作) 50分、実技競技 (コンテスト) 65分と進んでいきます。
今年の実技競技も難題で、各校しのぎを削る形となりました。
すべての競技終了後は、特別講演です。
今年は、国立天文台の秦 和弘助教による、「史上初、ブラックホールの撮影に成功 ~地球サイズの電波望遠鏡で、銀河の中心に潜むブラックホールに迫る~」と題してのご講演でした。
秦先生は、世界で初めてブラックホールの姿の撮影に成功した国際プロジェクト『イベント・ホライズン・テレスコープ (EHT)』の日本人メンバーのおひとりです。
大変貴重なお話を数多くうかがうことができました。
この後表彰式・閉会式となりました。
残念ながら、本校は入賞することはできませんでしたが、埼玉県内の科学が大好きな同年代の人々と同じ時間を過ごすことができて、大変有意義で、刺激的な時間を過ごすことができました。
皆様、ご声援いただきありがとうございました。
出場資格は高校1、2年生ですので、2年生は今年が最後となります。
参加してた1年生は、来年度も参加したいと頼もしいことを言ってくれました。
2年生の皆さんは、大変お疲れさまでした。
1年生のメンバーは、来年にむけて頑張ります!
理数科つくば研修 NIMS バイオミメティクス グループ
実験実習に移ります。
多肉質の葉の表面に水滴をたらし、ハイスピードカメラで撮影し観察しました。葉の上で水滴が弾んでいて、水をはじく瞬間が見られ、感動の声があがりました。
興味を持った⽣徒たちは、自らアイデアを出し、葉の状態の違い
肉眼で見たり、触ったり、積極的に観察しています。
水をはじく多肉質の葉の表面がどうなっているのかを双眼実態顕微鏡で観察しています。
特別に電子顕微鏡を用意していただき観察できました。植物の「気孔」もはっきりと映し出され、興味津々。見たい映像が拡大されると質問も積極的になりました。
理数科つくば研修 NIMS 超伝導グループ
10月25日、1年理数科は筑波研究学園都市と筑波大学にておいてつくば研修を行なっています。
午後は、3カ所に分かれて研修を行なっています。
こちらは、物質・材料研究機構 (NIMS) において超伝導に関する研修を受けているグループです。
NIMSの小森和範先生による実験研修です。
実験に関する説明を受けています。
低温にすることにって超伝導体の電気抵抗が減少することを確かめる実験です。
液体窒素を使った実験です。もちろん液体窒素を使うのは初めて。
安全のために革手袋をしての実験となります。
超伝導体を液体窒素の入った発泡スチロールトレイに入れて実験を行なっている様子です。
学校でいつも使う金属製のピンセットでは熱伝導動が高く、液体窒素にピンセットが触れるとピンセットが急激に冷却されて指がピンセットに貼り付いて危険です。ここでは、熱伝導度の低い割り箸を使って物質を操作しています。
写真だけ見ると不思議な感じがしますね。
超伝導体の特徴の一つピン留め効果の実験です。磁石の上に冷却した超伝導体を載せています。
上に乗せた超伝導体は、磁石の上で浮かんでいます。しかも、多少動かしても超伝導体は磁石の上にピン留めされている様に浮かんだままの状態を保っています。
とても不思議な光景です。
高校では体験することがとても難しい実験を今回実習することができて、皆さん少々興奮気味です。
理数科つくば研修
10月25日、1年理数科は筑波研究学園都市と筑波大学にておいてつくば研修を行なっています。
午前中は、宇宙航空研究開発機構 (JAXA) 筑波宇宙センターの研修です。
宇宙服に関する説明を受けています。
続いて、小型衛星についての説明です。
この後スペースドーム内での活動になります。
ここでは、自由に行動してそれぞれの興味関心に従って学習をしていきます。
こちらは、補給機の写真です。
宇宙服を間近に見ることができます。
初めて見るものが多く、生徒たちは興味津々の様子でした。
この後、昼食をとって筑波大学プラズマ研究センターでの研修グループと物質・材料研究機構 (NIMS) での3つの班 (NIMS班はさらに2つに分かれます) に分かれて午後の研修となります。
課題研究概論 & 筑波研修事前指導
本校理数科では、1年生後半から課題研究に取り組みます。
それ先立ち、知見を広め、生徒自身が本当にやりたいことを見つけられることを目指して様々な校外・校内研修を行ってきました。
10月25日には、つくばへの研修に出発します。
それに先駆けて、9月20日にはお茶の水女子大学の植竹先生による課題研究概論、9月27日と10月4日には中部大学の井上先生によるつくば研修の事前指導が行われました。
写真左: お茶の水女子大学の植竹先生による課題研究概論
写真右: 中部大学の井上先生によるつくば研修の事前指導
9月20日行われたお茶の水女子大学の植竹先生による課題研究概論の様子です。
こらからの課題研究での課題をどのように見つけていくか、その課題にどのように取り組むかをお話しいただきました。
その中では、過去の研究論文を検索して、それぞれが論文を読むという実習も行われました。
課題研究についてイメージを持ってもらえたかと思います。
続いて、課題研究のテーマ探しの一環として10月25日につくば研修を行います。
それに先駆けて中部大学の井上先生に事前指導を行っていただきました。
井上先生には今回のつくば研修のコーディネートもお願いしています。
今回のつくば研修では、午前中に宇宙航空研究開発機構 (JAXA) 筑波宇宙センターに、午後は筑波大学プラズマ研究センターと物質・材料研究機構 (NIMS) の2か所に分かれて研修を行います。
宇宙開発の歴史に関するお話です。
10月25日のつくば研修で、理数科の皆さんが科学に関する興味関心を広め、課題研究につながる実り多きものになることを願っています。
埼玉大学 HiGEPS (夏休み集中講座)
2019年8月8日 埼玉大学HiGEPSプログラムにお邪魔してきました。
本校からは、このプログラムに理数科1年生5名が参加しています。
本日は夏休み集中講座ということで、朝から夕方までのあいだに昼食を挟んで5つの講座(自動運転技術、物理・化学、太陽観察、材料科学 (ポリマー)、ホルモン) が実施されました。どの内容も高校で学習する内容の1歩も2歩も先の内容で全部を理解するのは、なかなか難しいと思います。
1講座は80分で実施され、高校の授業よりも30分多いですが全員集中して講義を聞いて、メモをとったりしています。
各講義の後は、小レポートをまとめて提出します。
今回の集中講座を聞いて、その中から3つのテーマを選択して、更に自分で調べて本レポートをまとめるというのが、HiGEPSの夏休みの宿題ということでした。
学校の宿題も沢山ある中、大変だとは思いますが、今回の講義の内容やレポートはこれから役に立つことばかりなので、頑張ってレポートに取り組んでください。
詳しくはこちらをご覧ください HiGEP埼玉大学
東京大学 知の協創 実践学講座
2019年8月5日に東京大学生産技術研究所において「物理を学ぶ、物理を作る 〜高校物理から宇宙研究の最先端へ〜」と題して、東京大学 高大接続研究開発センター 高大連携推進部門と東京大学 Kavli IPMU (カブリ数物連携宇宙研究機構)が連携して実施した高大連携プロジェクトに参加してきました。
本校からは、理数科1年生4名が参加しました。
アクティブラーニングの形式で埼玉県内の高校生と中学生が「科学者は広大な宇宙の仕組みや成り立ちをどのように探求しているでしょう?」という問にチャレンジします。
はじめに、理論物理学や実験物理学で一見すると矛盾してしまう結果について、自分たちが宇宙物理学の研究者になったつもりで、どのようにすると今回提示された観測事実や理論的に導き出される結果すべてが矛盾することなく説明できる仮説の構築に各グループで挑みます。
詳しくはこちらをご覧ください 産学恊創推進本部 知の恊創 実践学講座(平成30年度)
そして、その内容についてポスター発表を行いました。
午後からは、東京大学 Kavli IPMUの村山教授のビデオ講義を聴講し、午前中の経験と午後の村山教授の講義をもとに「科学者は広大な宇宙の仕組みや成り立ちをどのように探求しているでしょう?」というお題で、各グループが話し合い再びポスター発表です。
最後に、村山教授がドイツからビデオ会議を用いて、参加者からの質問に答えていただきました。
宇宙物理にどっぷりと浸れる、濃密な1日でした。