活動報告

天文部

【天文部】日本天文学会ジュニアセッションで研究発表(2024年3月12日)

研究班2年生は、東京大学本郷キャンパスで行われた、日本天文学会ジュニアセッションに参加し「太陽の高分散分光観測から求める差動自転検出の試み」の講演題で、口頭およびポスターによる研究発表を行ってきました。太陽はガスでできているため緯度により自転の速さが異なり、赤道付近での自転が最も速く南北の極に向かうにつれてゆっくりになるという差動自転をしていることが知られています。これが太陽の11年活動周期の原因ではないかとも考えられていますが、我々は観測からこの自転角速度をドップラー効果を用いて計測し、さらには南北半球でその角速度の変化に違いがあることをとらえました。

ポスターセッションの資料はこちら

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06T_JS2024_Kawaguchi_Poster.pdf

 

東京大学 安田講堂前

 口頭発表

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポスターセッション

参加証

 

 

 

 

【天文部】冬合宿(2024年1月5日~7日)

 いつもの県立大滝げんきプラザにて冬合宿を行いました。二晩とも良い天気に恵まれ、寒さもそれほど厳しくなく充実した活動をすることができました。1日目の晩は研究班と写真班に分かれ、研究班は施設の天文台で恒星の分光観測、写真班は駐車場で天体写真の撮影に取り組みました。2日目の晩は全員で駐車場での写真撮影のほか、天文台での観望も行いました。

 今回は二つの新たな機材を持ち込んで観測を行いました。ひとつは部活動費で購入したZWO社の電視観望専用望遠鏡SeestarS50で、もう一つはSSH予算で購入した口径130mm屈折望遠鏡です。

 SeestarS50は水平にポンとおいてWifiでタブレットに接続し、目的の天体を指示すれば自動導入して撮影してくれるという初心者にはもってこいの機材です。肉眼で覗くことはできず、タブレットの画面で天体を見ることから電視観望と呼んでいます。以下は撮影した画像で、カーソルを写真上に置くと天体名がわかります。

   M81 渦巻星雲M31 アンドロメダ星雲

  M45 プレアデス星団M3 球状星団

  M97 フクロウ星雲

 M42 オリオン星雲

 バラ星雲

 M51 子持ち星雲 馬頭星雲

月 地球照

 

  口径130mm屈折望遠鏡は、さすがに大掛かりな機材だけあって撮影できた写真は写りが違います。どうぞご覧ください。

バラ星雲

 

しし座 三つ子銀河

 M104 ソンブレロ星雲

 

  研究班が天文台で大型望遠鏡を使って観測しているところと、全員の集合写真もどうぞ。 研究班 分光観測中集合写真

【天文部】千葉大学 高校生理科研究発表会(2023年9月30日)

研究班では、7月の大阪教育大学での研究発表の反省を踏まえて、新たに観測を行い今回の発表会に臨みました。研究題目は「太陽の高分散分光観測~マカリとエクセルによる高精度波長付けの研究~」です。太陽の赤道における自転速度2.0[km/s]をドップラー効果を使って求めようというもので、文化祭が終わってからはほぼ毎日夜遅くまで解析を行いまとめたものです。残念ながら受賞することはできませんでしたが、かなり良い精度で自転速度を求めることができ、マカリ(国立天文台が提供する解析用のフリーソフト)とマイクロソフトの「エクセル」という汎用性の高いソフトでの解析法が確立できたものと考えています。

また、発表の途中でビデオ取材を受けました。

 

ポスターはこちら

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B704_川口市立_太陽自転速度_ポスター.pdf

 

正門

ポスター1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビデオ取材

 

 

 

夏合宿(2023年8月21~23)

今回も、いつも利用している県立大滝げんきプラザに行ってきました。部員29名、引率3名の総勢32名です。往復は大型観光バスで快適です。

1日目の晩は、晴れと曇りが交互に変わる空でしたが、満天の星空を堪能することができました。写真班は各自のスマホカメラで星空を撮影することを目標に各々挑戦しました。研究班は施設の天文台で恒星の分光観測をする予定でしたが天候が安定せずデータをとることはできませんでした。観測は朝5時まで行いましたが、日の出を見るため6時過ぎまで起きていた部員も。

2日目はゆっくり起床し、屋外炊事場でカレーライスを作りました。その後、雨の中滝沢ダムの見学に出かけダム外階段を下りるスリルを味わってきました。

2日目の晩は完全な曇りのため、研修室で引率の岡田先生(国語)による「天文と古典」という演題で、藤原定家の「明月記」にある超新星爆発の記録から江戸の天文博士(陰陽師)による暦の作成まで興味深いお話をしていただきました。日が変わるころになっても天候は改善せず就寝としました。

今回も盛りだくさんの充実した合宿となりました。

スマホカメラ1

 

スマホカメラ2

 

天文台

 

夜明け

 

滝沢ダム1

滝沢ダム2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

講演会

 

集合写真

 

高校生天文活動発表会(大阪教育大学)にオンラインで参加(2023年7月17日)

研究班は、第13回高校生天文活動発表会に参加し「太陽の高分散分光観測(その1)」として、~マカリとエクセルによる高精度波長付の研究~の演題で発表を行いました。場所は大阪教育大学ですがオンラインで参加しました。太陽の赤道における自転速度2.0[km/sec]を求めるという挑戦でしたが、結果は1.7[km/sec]となりました。大学の先生からはこれはほぼ求まっていると考えてよいというコメントをいただくことができました。今後さらに観測と解析を進め、次の研究発表につなげていきたいと考えています。

研究会の予稿集は以下で見ることができます。

https://quasar.cc.osaka-kyoiku.ac.jp/tenmon-hs/abstract2023.pdf

発表中の様子です。

発表1

発表2

七夕・金星観察会(2023年7月7日)

期末考査が昨日で終わり、今日は活動日です。夏合宿の打ち合わせなどを行い、17時ころ終わりにしようとしていたところ、意外にも青空が広がっていることに気が付きました。今日は七夕、そして金星が地球に近づきつつあり最も明るく見える日です。早速、屋上に上がり観察準備を行い空が暗くなるのを待ちました。太陽が沈んでいき、やがて金星が見えてきました。観察会の様子と撮影した金星画像をご覧ください。

観察

金星(最大輝度)

新入生歓迎観測会(2023年4月28日)

新入生18名が入部しました。新年度の活動開始です。

初めに、新入生に合宿などで活用する小型天体望遠鏡の組み立て、操作方法、分解の手順を先輩から伝授しました。

その後、日没を待って屋上に上がり、金星と上弦の月の観測です。大きさの違う望遠鏡4台を見比べてみました。特にSSHで購入した口径130㎜屈折望遠鏡で見た月は圧巻の一言、思わず「オー」という声が出てしまいました。撮影した写真をご覧ください。

望遠鏡操作講習

屋上観測会

130mm望遠鏡

130mm 上弦の月

ファーストライト(2023年3月10日)

太陽観測に続き、夕暮れの宵の明星”金星”と今シーズンほぼ見納めとなる木星を観望しました。使用した望遠鏡はSSH予算で購入したレンズ直径が130㎜の屈折式望遠鏡【高橋製作所 TOA-130NFB】です。今回初めて天体の光を入れるファーストライトとなりました。これからこの望遠鏡も観測や観望に活用していきます。

ファーストライト_1

 

ファーストライト_2

 

太陽観測(2023年3月10日)

今日は金曜日の定例活動日です。屋上に上がって太陽観測を行ったところ、なかなか見られない大きなプロミネンスに遭遇しました!部員のスマホで撮ったものと、観測用のモノクロカメラで撮った写真をご覧ください。

 

プロミネンス(スマホカメラ)プロミネンス(観測用カメラ)観測中

太陽観測(2023年3月7日)

本日で学年末考査が終わりました。天気が良かったので、放課後集まり屋上に上がって太陽観測を行いました。太陽は約11年周期で活動の強弱を繰り返していますが、現在どんどん活動が活発になってきており、目が離せません。今日は、カルシウムK線と水素Hα線のフィルターをつけた太陽望遠鏡で観測を行いました。カルシウムK線は太陽の彩層と呼ばれる大気の下部を見ることができ、黒点やプラージュと呼ばれる活動領域が観測できます。水素Hα線は彩層上部を見ることができ、プロミネンスやフィラメントと活動領域がよく見えます。処理した画像をご覧ください。 

カルシウムK線水素Hα線